2015.8.11

フォトグラファーチームNEWS 【撮影テクニック Vol.01】

フォトグラファーチームの東郷です。

私は、キッチンなどの住宅設備、建材、家具、雑貨などインテリアに関連した撮影を
することが多いのですが、どの案件もライティングに知識とエネルギーを注いでいます。

ロケ撮影では、ロケ現場の光を活かした撮影がベースとなりますが
スタジオ撮影時は、暗闇の状態からライティングを作っていくことになります。
今回、このスタジオライティングをつくるにあたって、私が気をつけていることを
搔い摘んで紹介していきたいと思います。

その写真が目指す方向はどこか?

とにかく商品特徴をしっかりと見せるのか、機能を伝えるのか、フォルムをみせるのか、
モデルを入れて使用シーンを伝えるのか等々、写真が目指す方向は状況に応じて様々です。
私は、ターゲットが求める情報を明確にし、その写真に必要な要素を組み立てていきます。

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この写真、主役は奥の白いキッチンです。
洗練されたシンブルなデザインを伝えるには、小道具を含めて白い空間をつくり
基本的には明度の高い、上品な印象を与えられる写真にしようと考えました。

しかし、キッチンの色や形を正確に伝えるだけの均一的なライティングにしてしまうと
ライフスタイルや季節感、ストーリーが感じられない淡白な写真になってしまいます。
また、明るさだけを重視し、太陽の直射光のようなメリハリの強い光を使えば
夏っぽい爽やかなイメージになり、カジュアルな雰囲気になるかもしれません。

今回、私はクライアントと話し合い、キッチンの魅力がもっとも表現できるであろう
光の質(落ち着きのあるしっとりした光)を入れることにしました。

メインライトはバウンス光のみ。光量があるライトを一灯だけ使うのではなく、
撮影現場でできる限り高くて大きな白い面を作り、
複数のライトをその白い面に対して打ち、位置や方向をそれぞれ調整しています。

ここでは、バウンスさせる白い面の高さがとても重要となります。
ドラマチックでインパクトのある写真にするには、
白い面を低くし光を横から室内へ入れる方法をとりますが、
冬の光、午後~夕方の印象が強くなるため、この空間設定には合いません。

今回は、室内に斜め上から光が流れ込んでくるようなイメージを持って
ライトを設置しています。手前は色のある家具や小道具があり、光を落とし気味に。
キッチンの左後ろにある壁は、より明るくなるように、
カメラからは見えないキッチンの裏からライトを打っています。
これらによって画面全体にメリハリをつけ、奥のキッチン側の明るさや白さを
強調することができます。

撮影時は、その空間に住まわれる方のイメージも細かく想定して行ないます。
今回は、都市圏に住む30代後半の夫婦。年収や趣味などもスタッフ間で共有します。

そのターゲットに響く空間を、小道具だけでなくライティングによる光から
演出することで、商品そのものをより魅力的に見せる事ができると考えています。

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私はライティングをつくる際には、現実にある光を想定しつつ、
空間と光の質と量を整理し、必要なものは強調、不要なものは削除して、
ゴールイメージに最適なアプローチを導くようにしています。

既存の照明機材を単純に使うだけでは到底難しく、
独自の方法やコツ、複数の手法を組み合わせる必要があると思っています。

次回は、メインライトの使い方とコツについてお話ししたいと思います。

 

 

 

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